子どもの教育費を準備する手段のひとつとして「学資保険」があります。
実際に学資保険を検討しようと思うと、こんな疑問が浮かびませんか?
学資保険って名前は知っているけど、そもそもどんな内容の保険なの?
たくさん選択肢がありすぎて、どうやって選べば良いのかわからない!
今回は、主要な6社であるソニー生命、フコク生命、明治安田生命、日本生命、JA共済、かんぽ生命の学資保険を徹底比較しました。
各社のプランの違いや特徴、学資保険選びの目の付け所を解説します。
専門家への無料相談や保険会社の紹介には、数ある保険会社の商品を比較して紹介している保険コネクトがおすすめです。
※2022年7月時点の情報です
学資保険とは
学資保険は保険料を支払うことで、設定したタイミング(子どもが18歳になった時等)で満期保険金や祝金を受け取ることができる保険商品です。
学資保険の大きな特徴は2つあります。
それは貯蓄性があることと、親に万が一のことがあったときでも保障が継続することです。
それぞれについて、見ていきましょう!
学資保険には貯蓄性がある
学資保険に加入すると、設定した保険料の払込期間まで否応なく支払いを続けなくてはいけません。そうすることで、普段は貯蓄が苦手な人でも安心して教育費を貯めることができます。
また商品や支払い方法などによって異なるため一概には言えませんが、学資保険には、支払った保険料の総額より満期時に受け取れる金額のほうが大きくなる商品がたくさんあります。
つまり保険料を支払うことで、預貯金より有利に教育資金を準備できるのです。
この学資保険の貯蓄性の高さに影響するのが「返戻率(へんれいりつ)」です。
これは保険料の支払い総額に対する満期保険金等の受け取り総額の割合を%で表したもので、返戻率が100%より高くなればなるほど、支払い総額より増えて戻ってくるということになります。
返戻率をアップさせる方法として「子どもが生まれたら早い段階で加入する」「保険料の払込期間を短く設定する」「できるだけまとめて保険料を支払う」などがあります。
なお、加入時の契約者や被保険者の年齢には制限が設けられている(例えば子どもが7歳を超えると加入できないなど)ので、気になる学資保険の加入要件は早めにチェックしておきましょう。
万一の時でも保証は継続する
学資保険には、親に万一のことがあったときでも保障が継続するという特徴があります。
学資保険は一般的に、両親のどちらかを契約者、子どもを被保険者として契約します。
万一払込期間中に契約者(親)が亡くなってしまったら、以後の保険料の払込みが免除され、なおかつ保障は継続します。よって満期保険金などは当初の契約どおりに受け取ることができます。
親に万一のことがあったときの家計へのダメージは大きいものです。そんなときに子どもの教育費が保障されることは安心につながりますよね。
なお契約内容によっては、死亡以外(高度障害など)の場合は保険料の払込みが免除されない商品もありますので、検討する時によく確認するようにしてくださいね。
学資保険の選び方
学資保険を選ぶときに考慮すべきポイントは次の2点です。
- 返戻率
- プランが自分に合っているか
この2点について、詳しく説明していきます。
学資保険の返戻率
学資保険には、子どもの教育資金を計画的に備えるという役割があります。
支払った保険料の総額よりも、少しでも多く受け取れたほうがうれしいですよね。
その目安になるのが「返戻率」です。
学資保険の加入を判断するときには、この返戻率をチェックしましょう。
貯蓄性を重視するなら、なるべく返戻率が高い商品を選ぶことがポイントです。その上でさらに返戻率が高くなるように、払込期間や払込方法などを選択できるといいですね。
ただし返戻率が低い学資保険には保障が充実しているというメリットがあります。死亡保障や医療保障がついていると万一のときは安心です。
しかし保障の充実した学資保険や特約を追加した学資保険は、その分保険料が上がることから返戻率は低くなる傾向にあります。
貯蓄性を重視するのか、保障も外せないのか、まずは「学資保険に加入する目的」を明確にしておくことが大切なのではないでしょうか。
自分に合ったプランを選ぶことが重要
返戻率だけではなく、商品のプランが希望に合っているかどうかも重要です。
満期保険金や保険料の金額、保険料をいつまで支払うか、満期保険金を受け取るタイミングなど、商品やプランによって違いがあります。
基本的に学資保険とは長い付き合いになります。その間保険料は無理なく支払えそうか、満期保険金や祝金をどのタイミングでいくら受け取るかなど、ご家庭に合ったプランになっているかよく考えて加入しましょう。
必要なタイミングに受け取れなくては本末転倒になってしまいます。特に早生まれのお子さまは、満期の設定年齢には注意してくださいね。
学資保険のシミュレーションをしよう
学資保険のシミュレーションは、各保険会社のホームページで行うことができます。
例えば共働きのご夫婦に0歳のお子さまがいるご家庭で学資保険を検討する場合、まずはご夫婦のどちらが契約者となるのかを決めます。
共働きの場合は、メインで収入を得ている方が契約者となることが多い傾向にあります。
ホームページの見積もり情報を入力する画面で、契約者(親)と子どもの性別・生年月日を画面の指示にしたがって入力し、表示されたプランごとの保険料や内容を確認します。
保険料は契約者の年齢や性別などで変わりますが、いずれにしても学資保険に加入するときは、ご家庭の経済状況に合っているかを確認することが大切です。
無理のない保険料となっているかどうか、今後のライフプランを考慮しながらシミュレーションして確認しましょう。
代表的な学資保険の比較
たくさんの保険会社から学資保険が販売されていますので、迷ってしまうこともあると思います。
希望に合う商品を選ぶには、それぞれの特徴を比較することが大切です。
では、さっそく代表的な商品やプランを一緒に見ていきましょう!
なおこのシミュレーションは「2021年8月末現在、契約者30歳男性、子ども0歳、保険金200万円」という条件で行っています。
また保険会社によりシミュレーションできるプランが異なりますので、その場合はこの限りではありません。
ソニー生命
返戻率目安:約101%~106%
ソニー生命の学資保険の特徴は、返戻率が高めの水準で維持されていることです。
教育費に備えるという本来の目的に力を入れており、配当金や医療保障などは付いていません。
補償はできるだけシンプルに、貯蓄性を重視したい方向けの商品です。
加入できるプランは学資金を受け取るタイミングによって3つに分かれています。
保険料の払込方法は基本的に「月払」「半年払」「年払」から選択でき、払込期間は最短で10歳までと、本格的に教育費がかかる前に支払いを終えることも可能です。また約款によると一時払いもできるようです。一時払いの返戻率がいくらになるのかなど、詳細が気になる方は面談時に確認してみてくださいね。
なおソニー生命では紙の資料請求を受け付けていません。まずライフプランナーと面談を行い、相談者に合った見積もりや資料を作成してくれるという点も大きな特徴です。
面談を希望する場合は電話または公式ホームページから申し込みましょう。ちなみに現在はオンラインでの面談も可能となっています。
フコク生命
返戻率の目安:約101%~106%
フコク生命の学資保険「みらいのつばさ」にも基本的に医療保障は付いておらず、他と比べると比較的返戻率は高い傾向にあります。ただし希望により医療保険にパックで加入することも可能です。その場合の返戻率はパックで加入した医療保険とトータルで考えると、上記の目安よりも低くなるでしょう。
また配当金のある商品ですが、配当金は毎年の決算によって生じた余剰金から支払われるため、決算状況によっては受け取れない場合もあります。
加入できるプランは祝金を受け取るタイミングによって2つに分かれています。
またどちらのプランも満期は22歳となっており、新社会人の準備費用に充てることもできます。
払込方法は「月払」「半年払」「年払」、払込期間は11歳・14歳・17歳から選択できます。
フコク生命の特徴として「兄弟割引」があります。
すでにこの商品に加入している兄弟姉妹がおり、保険会社が定める条件を満たした場合、毎月の保険料が割引となります。(例:払込方法が月払のとき、満期保険金額10万円あたり月10円割引)
明治安田生命
返戻率の目安:約103%~106%
明治安田生命の学資保険「つみたて学資」の返戻率も水準が高く、保険料を一括払いする場合には約109%まで高くなるケースもあります。
配当金や各種保障は付いておらず、保障をシンプルにすることで高い返戻率が維持されています。
加入できるプランは1種類のみで、大学進学時から満期時まで教育資金と満期保険金を計4回受け取れます。なお、受取総額を高めに設定すると保険料の割引が適用されるため返戻率が高くなります。
保険料の支払い方法は、「月払」「半年払」「年払」「全期前納(一括払)」から選択することができ、払込期間は15歳までです。なお契約時のお子様の年齢が0~2歳であれば10歳までに支払いを終えるプランも選択できます。
独自の特徴には、24時間妊娠育児相談サービスが無料でつくことが挙げられます。
日本生命
返戻率目安:約102%~109%
「ニッセイ学資保険」の返戻率も高い水準となっていて、各種保障は付けずに貯蓄性を重視した商品設計になっています。特に保険料の払込期間を5年に設定すると、返戻率はかなり高い水準になります。
またこの学資保険は契約時に、小中高入学時に受け取るこども祝金や大学入学後に毎年受け取る学資年金の基準となる金額(基準保険金額)を設定します。
こども祝金は基準保険金額の20%、学資年金は基準保険金額の50%となっており、例えば基準保険金額を100万円に設定すると、こども祝金は20万円、学資年金は1回目が100万円、2回目以降は50万円となります。
プランは大きく分けて2つです。
支払方法は「月払」または「年払」で、口座振替・振り込みから選択できます。日本生命ではクレジットカード払いに対応できる商品もありますが、学資保険は対応していないようです。
保険料の払込期間は、こども祝金あり型の場合は学資年金の開始年齢(17歳・18歳)まで、こども祝金なし型の場合は5年・10年・学資年金の開始年齢までの3つから選ぶことができます。
ちなみに、子どもが0~2歳の場合に加入できるこどもの保険「げ・ん・き」という別の商品もあります。こちらは、育英年金や子どもの医療保障がつけられるなど、万一の保障を重視した商品となっています。そのため学資保険に比べると返戻率は低くなる傾向にあります。
その他、24時間365日無料で使える育児相談ダイヤル「育児相談ほっとライン」というサービスが付いていますので、子育て中のパパ・ママにとっては心強いですね。また女性の契約者限定で、自身の体の悩みを相談できる無料電話サービスも付いています。
JA共済
返戻率目安:約90%~106%
「こども共済・学資応援隊」は満期年齢によって3つのプランに分かれています。
払込方法には、「月払」と「年払」があり、口座振替・クレジットカード払い・JA窓口に持参から選択できます。
学資応援隊の返戻率は、特則の有無や保険料の払込方法、またプランによって大きな差があります。
例えば、大学プランで養育年金特則なし、共済掛金終了年齢を11歳に設定すると、返戻率はおよそ106%となります。
一方、中学プランで養育年金特則をつけると、返戻率は100%を下回ります。中学プランや高校プランには受験を見越してお金を備えられるというメリットがありますが、返戻率には気をつけておきましょう。
またこども共済の大きな特徴に「加入年齢の幅広さ」があります。
契約者(親)の加入年齢は18~75歳、被共済者の子どもは0歳~12歳まで加入できます。
この加入年齢の幅広さから、他社では契約できない方や、祖父母が孫のために加入するなどのケースもあるようです。
なお、こども共済には学資応援隊の他に、幼稚園や小学校の入園入学時から祝金を受け取れる「こども共済・にじ」「こども共済・えがお」のプランもあります。
かんぽ生命
返戻率目安:約89%~92%
「はじめのかんぽ」は、子どもの入院・手術に関する医療特約を付けることができる保障重視型の学資保険です。
保障が手厚い分保険料が高くなり、シミュレーションの返戻率は100%を下回っています。
プランとして選べるコースは3つです。
小中高の入学時に学資祝金を受け取れるコースは子どもの年齢が0~3歳に限り加入でき、その他は0歳~12歳まで加入できます。
払込期間は基本は18歳までですが、プランによって12歳を選択できる場合もあり、12歳満期に設定することで返戻率を上げられる可能性があります。
払込方法は「毎月払込み」「前納払込み」があり、口座振替または窓口での支払いが選択できます。
はじめのかんぽは返戻率は低いものの、全国各地にある郵便局の窓口で手続きができる便利さや、保障を重視したい方からの根強い人気があります。
学資保険で人気の大手6社比較一覧表
6社それぞれの条件や特徴を比較しやすい様に一覧表にまとめました。
ソニー 生命 | フコク 生命 | 明治安田生命 | 日本 生命 | JA 共済 | かんぽ 生命 | |
---|---|---|---|---|---|---|
商品名 | ソニー生命の学資保険 | みらいのつばさ | つみたて学資 | ニッセイ学資保険 | 学資応援隊 | はじめのかんぽ |
返戻率 | 約101%~ 106% | 約101%~ 106% | 約103%~ 106% ※一括払いのときは109% | 約102%~ 109% | 約90%~ 106% | 約89%~ 92% ※払込期間によって、上記より高くなる可能性あり |
払込方法・経路 | 月払 半年払 年払 口座振替 | 月払 半年払 年払 口座振替 集金 送金 店頭持参 | 月払 半年払 年払 口座振替 送金 店頭持参 | 月払 年払 口座振替 振り込み | 月払 年払 口座振替 クレジットカード払い 窓口持参 | 毎月払い 前納払込み 口座振替 または窓口での支払い |
払込期間 | 10歳 15歳 17歳 18歳 20歳 22歳 など (型や満期年齢によって選べる期間が異なる) | 11歳 14歳 17歳 | 10歳 (0~2歳に加入の場合のみ選択可能) 15歳 | 5年 10年 学資年金の開始年齢まで | 11-12歳 14-15歳 17-18 歳 | 12歳 17歳 18歳 |
満期年齢 | 17歳 18歳 20歳 22歳 | 22歳 | 21歳 | 21歳 22歳 | 14-15歳 17-18歳 22歳 | 17-18歳 21歳 |
特徴・その他 | シンプルに貯蓄性を重視 | 兄弟割引 | 24時間妊娠育児相談サービスが無料で使える | 育児相談ダイヤル 女性の体の悩み電話相談(女性契約者限定) が24時間無料で使える | 加入年齢の幅広さ | 医療特約が手厚い 全国に窓口が多い |
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ここまで、保険会社各社の学資保険を比較してきました。
代表的な6社を比較してみましたが、この記事では解説しきれないことがたくさんあります。
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学資保険の比較まとめ
今回は、学資保険の基本的な内容や代表的な商品についてお伝えしてきました。
簡単に振り返ってみましょう!
- 学資保険の特徴は、貯蓄性があることと親に万一のことがあっても保障が継続すること。
- 商品選びのポイントは返戻率と自分に合うプランになっているかどうか。
- 貯めることを最重視するなら、返戻率は大切!
- 長期的に無理なく支払っていけるかどうかも大切。まずはシミュレーションをしてみよう!
学資保険はあくまで教育資金を準備する手段のひとつです。
途中解約すると元本割れしてしまう可能性が高いので、加入前に慎重に比較検討し納得いくものを選ぶようにしましょう。
今回の記事が、皆さんの教育資金準備の参考になればうれしく思います。
山口りな
FPサテライト株式会社所属ファイナンシャルプランナー
約6年半テレビ山梨でアナウンサーを勤め退職。退職をきっかけにお金に関わる制度を身近に感じたことでお金や経済の勉強はじめ、FP資格を取得。フリーアナウンサーとして活動しながらFPとしても活動中。FPアナウンサーとしてお金にまつわる知識を届けている。